第73章 恋文
乱れた黒髪が頬にかかっているのを指先で整えてやると、朱里は気持ちよさそうに口元を緩める。
その微笑みは堪らなく愛らしいものだった。
「っ…朱里っ…動くぞ」
「んっ…信長さま…」
くったりと弛緩した身体を強く抱き締めて、緩々と腰の律動を開始する。
ーグチュッ…パチュン…パチュッ
ーぐちゅっ ずちゅっ
ゆっくりと抜き挿しするたびに、全て吸い取ろうとするかのように肉襞が吸い付いてくる。
その瞬間、朱里のナカと俺のモノが一つに混じり合うような感覚が生まれて、心も身体も幸福感に包まれる。
朱里でなければ俺は満たされない…そう思える瞬間だった。
「あっんっ…いいっ…」
「ゔっ…くっ…」
二人の繋がった部分からは、止めどなく蜜が溢れ、動くたびにグプグプとくぐもった水音が漏れている。
限界まで膨張した一物は、朱里の蜜に塗れており、溢れた蜜液は腹の辺りまでをぐっしょりと濡らしていた。
「あぁ…信長さま…きもち、いいっ…もぅ…やぁ…また、イッちゃ、うぅ…からぁ…」
「ぐっ…ぅ…朱里っ…俺ももう…出すぞっ!」
朱里の細腰をがっちりと掴むと、最後とばかりに激しく己の腰を打ちつける。
肌と肌がぶつかり合う乾いた音が響く。
朱里のナカに、ぎゅうっと強く締めつけられて、腰が甘い疼きを訴えたその時、目の奥でチカチカと火花が散った。
ービュクッ!ビュルビュルッ!
一瞬、頭の中が真っ白になり、ふっと身体の力が抜けたかと思うと、熱い迸りが最奥めがけて弾け飛んでいた。
ビクビクと震えながら、最後の一滴まで余す所なく注ぎ込むと、放心したように脱力する朱里の身体を強く抱き締めた。