第68章 おあずけ
ガツガツと性急に腰を打ちつけると、イったばかりの朱里の足がガクガクと揺れる。
自分でも制御が効かないのだろうその身体は、脱力したように寝台の上に投げ出されている。
「っ…くっ…朱里っ?」
「んっ…信長さま…」
焦点が定まらぬ気怠げな眼差しで見上げてくる姿に、大丈夫かと一瞬不安にかられるが、そうかといって俺自身止まれそうもなかった。
再び急速に迫り上がってくる快感に身を委ねて、律動を早める。
グチュグチュッと、耳を覆いたくなるようなひどい水音に興奮は増すばかりで……繋がる部分からは蜜が滴り落ち、敷布がぐっしょりと濡れてシミになるほどだった。
ーーゴーン ゴーン
気がつけば、鐘の音が遠くに聞こえる。
いつの間にか、年越しの刻が近づいていたらしく、除夜の鐘が鳴り始めていた。
一年の終わりにつく除夜の鐘
人間の煩悩の数は百八つあるとされ、鐘を一回つくごとに煩悩が一つずつ消えて行くと考えられており、全ての煩悩を祓うために百八回つくのだという。
百七つまでは旧年の内につき、最後の百八つ目は新年になったその時につくのが習わしだそうだ。
(百八つの鐘か…俺の煩悩は百八つどころではない。朱里のことだけでも、これほどに煩悩まみれなのだから、到底足りんわ…)
「んっ、ふっ…信長さまっ…はぁ…」
俺の下で息も絶え絶えに喘ぐ朱里には、鐘の音は聞こえているのだろうか。
ーグチュッ ズチュッ ジュプッ
ーパチュン パチュッ
鐘の音に耳を傾けながらも、規則的な抽挿を繰り返す。
抜き挿しするたびに、ジュボジュボッと蜜が泡立ち、くぐもった音が響くのが、堪らなく淫らだ。
何度も絶頂を繰り返している朱里の秘部はひどく滑っていて熱く、腰を引くたびにナカの襞がまるで生き物のように吸いついてくる。
(っ…はっ…これはっ…吸い取られてしまいそうだな…っくっ…)
「んっ…信長さまぁ…やっ、ああっ、あんっ…ま、また、イっ…ちゃ…あっ…」
「うっ、くっ…はぁ…朱里っ…もう…ゔあ"あ"っ!」
ーパチュンッ! ぐちゅうぅー
グッと一際強く腰を打ちつけ、奥をゴツッと突き上げた瞬間、朱里の身体が弓なりにしなり、子宮がキュウウッと激しく収縮した。
激しい締めつけに腰がぞわりと震え、抗うことなく奥へと熱い迸りが放たれる。
最奥へ子種を注がんとするかのように…何度も何度も…