第57章 光秀の閨房指南
光秀さんに渡された【愛蜜香】は、夜着の袂に忍ばせてあった。
その小さな入れ物がずしりと重く感じられ、身動きする度にその存在を信長様に気付かれるのではないかと、先程から気が気ではなかった。
(光秀さんは、身体に害はないから安心しろ、って言ってたけど、信長様に媚薬なんてっ…)
「っ…くっ…朱里、これを解けっ…貴様に触れたいっ」
頭の上で纏めていた両手を前に突き出しながら苦しげに言う信長様の声で現実に引き戻される。
「……嫌です」
「くっ…貴様っ…」
「今宵はダメ…私が全部して差し上げますから…」
腰紐で結わえられた手首にちゅっと口づけてから、身体を起こす。
信長様のお腹の上に跨ったまま、着崩れた状態の自身の夜着に手を掛けて、焦らすようにゆっくりと脱いでいく。
信長様に見せつけるようにして夜着を肩から滑り落とすと、一糸纏わぬ生まれたままの姿になる。
信長様がほぅっと息を呑む気配に、身体の熱が益々上がっていく。
「っ…ふうっ…綺麗だ…朱里っ…」
囁く声と熱っぽい視線が全身に注がれて、目線だけで犯されているような落ち着かない心地になった私は、思わず腰を少し捩っていた。
ーくちゅっ にゅる にゅるるっ
「あっ…んっ…くっ…ふぅ…」
腰を捩った拍子に、割れ目が信長様のお腹と擦れ合って……そこは既にナカにたっぷりと蜜を溜めていたようで、にゅるにゅると滑らかに擦れ合う。
信長様のお腹が私の厭らしい蜜でニチャニチャと汚れていく様に、ひどく興奮を掻き立てられた。
いつの間にかお尻の方には硬いものが当たっている。
(んっ……信長様の、勃ってる…)
天を仰いで隆々と勃ち上がったモノが、後ろからグリグリと尻の割れ目に押し当てられている。
信長様が自身の腰を持ち上げて下から突き上げておられるのだと気付いて、お顔を見ると、悪戯っぽく口角を上げて笑っておられた。
その余裕の笑みが少し悔しい。
「もう…ダメだって言ったでしょう?動いちゃダメですっ」
笑みを浮かべるその唇をぱくっと食んでから、腰を浮かせて信長様の足の間に移動する。
間近に見る信長様のモノは、大きく膨らみ重力に逆らうように上を向いている。
血管が浮き上がって見えるほど膨張したソレは、圧倒的な存在感を放っていた。