• テキストサイズ

永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第9章 妹


ある日の昼下がり
信長様に呼ばれて天主へ行く

「信長様、朱里です。入ってもいいですか?」

「ああ、入れ」

襖を開けて中に入ると、信長様は文机の前で書状を書いているところだった。相変わらず忙しそうで、信長様の周りには書状や報告書がうず高く積まれていた。

「お呼びと伺いました。何かご用事ですか?」

書状を書き終え花押を押しながら、私の方へ視線を移す。

「貴様に頼みたいことがあるのだ」

(信長様が私に頼み事??珍しいな、何だろう?)

小首を傾げて見つめる私に、

「今から城下に行って、金平糖を買ってきてほしいのだ。いつもの菓子屋でよい。金平糖のほかに、京の珍しき菓子などもいくつか見繕ってきてくれ」

「……金平糖に京の菓子、ですか??」

「実は……明日、我が妹、お市とその娘たちが安土に来る。妹たちは母とともに、今は伊勢の国で弟信包の庇護のもと暮らしておるが、安土の城を見に来るように、と俺が呼んだのだ」

(信長様の妹君……確か近江の浅井様に嫁がれていたのよね)

「姪たちはまだ幼いゆえ、甘味などは喜ぶだろうと思ってな、午後から自ら城下へ降りて買い求めるつもりであったが……見ての通り、急ぎの政務に追われておる」

信長様は目を細めながら書類の山を見て溜め息を吐く。

「分かりました!私、行ってきます!」

「悪いが、頼む……貴様も好きなものを買ってくればよい」

(信長様のお役に立てるなんて嬉しいな。城下に行くのも久しぶりだし)
/ 1937ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp