第8章 月下の誓い
やがて、抱き締める腕をゆっくりと解き、
「貴様と出会うまで、誕生日など単なる通過儀礼に過ぎなかった。人の一生は儚い。ひとたびこの世に生まれ出た者は、いつかは必ず死ぬ。この世の中に永遠に続くものなどないと思っていた。
………だが、今は……永遠を知っている。貴様への『愛』だ。貴様へのこの想いは未来永劫変わることはない。
この月下美人の花は明日の朝には枯れるという。だが、俺の貴様への想いは生涯枯れることはない。
朱里……愛している。この命尽きるまで、貴様は俺だけのものだ。
俺の隣で俺のためだけに笑っていよ」
「……っ、はいっ。私の想いも未来永劫変わりません。……貴方を愛しています」
どちらからともなく唇を重ね、『永遠の愛』を誓い合う。今、この瞬間が永遠に続けばいい、そう願わずにはいられなかった。