第32章 初夜
「…さあ、どうして欲しい?奥方様」
口の端を上げ、意地悪そうな笑みを浮かべて上から見下ろされる。
獲物を捕らえた鷹のようなその表情にゾクゾクと身体の奥が疼いて、鼓動が激しくなる。
(ああ…いつだって信長様からは目が逸らせない…
この方の、自信に満ちたこの表情が堪らなく好き…)
「っ、の、信長様の思うままに…抱いて下さい」
恥ずかしくて、消え入りそうな小さな声しか出せない。
「…承知した。存分に愛てやろう。
思うままに乱れ、啼くがよい」
大きな手が頬を優しく包み、ゆっくりと唇が重なり合う。
舌先が、閉じた唇を割り開いて侵入すると、歯列の裏をザラリと舐めていく。
チュッ チュッ チュル ピチュ チュパッ
「…んっ、ふっ、は、はぁ…」
呼吸することを忘れるような絶え間ない口づけに、頭の芯が痺れてきた頃、それまで内腿を撫でていた信長様の骨張った手が、脚の付け根の秘密の部分に伸ばされる。
グチッ グチュ グチュンッ!
「あっ、ひぃゃあっ!あっああぁ」
「ふっ、もう、ぐちゃぐちゃだな。
熱くて…蕩ける…美味そうな蜜がべったりだ」
蜜壺に挿れた指を一旦引き抜き、絡んだ蜜を舌で舐め取る。
見せつけるように、ゆっくりと…何度も…
艶めかしいその姿に目が釘付けになり、ゾクリと背筋に震えが走る。
同時に蜜壺からジュワッと熱い蜜が湧き出た感触がして、無意識に脚を擦り合わせてしまい、それがまた気持ちが良くて思わず声が漏れてしまった。
「っ、はぁ…あぁ」
「くくっ、どうした?
そのような声を漏らして…ここが好いのか?」