第30章 南蛮の風
「はぁ〜、今日はとても楽しい1日でした!
神父様のお話も興味深かったですし、何よりあの『おるがん』の音色……心に染み渡るようで、素晴らしかったです!」
「ふっ、貴様、すっかり南蛮の魅力に取り憑かれたようだな」
その夜も天主で信長様と『珍陀酒』を酌み交わしながら、昼間の南蛮寺での話をする。
気分が高揚している為か、甘口の『珍陀酒』の飲みやすさのせいなのか、気付かぬ内に次々と杯を空けてしまっていた。
「ふっ、今宵は随分と酒がすすんでいるようだが…大丈夫か?」
「ん、そうですね…ちょっと飲み過ぎたかも…
私、厨に行ってお水をもらってきますね…」
そう言って立ち上がりかけるが………
「っ、あれ??……わっ!」
立ち上がった拍子に頭がくらくらっとなり、目眩が起きる。
よろめいて倒れかけた私を、信長様が逞しい腕で抱き留め、そのまま、すっぽりと腕の中に閉じ籠められた。
「あっ、やっん、ごめんなさ…い」
「……飲み過ぎだな、身体が熱いぞ」
耳にフッと息を吹きかけられ、身体の線をなぞるように信長様の手が触れた瞬間、甘い痺れに襲われた。
「やっ、んんっ…ふぁん…」
(軽く触れられただけなのに…ふわふわして気持ちいい…)
「…いつも以上に敏感だな…酒のせいか?
もっとその甘い声を聞かせろ」
耳元で囁くと同時に、カプッと耳たぶを甘噛みされる。
尖らせた舌先で耳の入り口をツーっと舐め回しながら、空いた手を着物の袷に滑り込ませる。
手探りで胸の中心部分を探すと、そこは既にピンっと勃ち上がって硬さを増していた。