第28章 甘い夜
小窓から射し込む朝の光を感じ、ゆっくりと目蓋を持ち上げる。
気怠さの残る身体を褥の中で動かすと、すぐ傍に暖かな温もりを感じて、そっと身を寄せた。
「起きたのか?……昨夜は少し無理をさせすぎたか?」
憂いを帯びた眼差しで、少し心配そうに私を見る信長様。
その気遣いが嬉しくて、ゆるゆると首を横に振って答える。
「…いいえ、大事ございませぬ。
信長様こそ……少しはお休みになられましたか?」
一晩中飽きることなく互いを求め合い、僅かな微睡みに落ちたのは、つい半刻ほど前のことであった。
未だ下腹部は信長様の熱の余韻が残っているようで、ジンジンと火照ったように疼いている。
「ふっ、俺はよい。
…朝まで貴様を堪能して満たされたゆえな」
「ふふ…私もです。
心も身体も…もう貴方でいっぱいです」
「っ、貴様は愛らしいことばかり言う。
そのように俺をかき乱すことばかり言うと…どうなっても知らんぞ?」
身体の線をなぞるように、再び熱っぽい手が触れてきて、慌てて制止する。
「やっ…もうだめですよ、これ以上は…」
慌てる私を揶揄うように、唇に触れるだけの口づけを落とし、胸元にギュッと引き寄せる。
頬に触れる逞しい胸板にドキドキと揺れる鼓動を抑えられず、赤くなった頬を隠すように信長様の胸元に顔を埋めた。