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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第118章 青い花の秘密


「そういうことだ」

「で、でも…信長様、この花自体も海図を解く鍵になっていると昨日仰ってましたよね?それだと、この花もまた奪われたら駄目なんじゃ…」

「誰が本物を運ぶと言った」

「……え?」

「本物はここに置いておく。京へ運ぶのは精巧に作った偽物だ」

信長は、悪戯を思い付いた子供のように愉しげに口角を上げる。

「偽物…?」

「奴らは硝子細工の花を探している。だが、花の形状など、具体的な特徴は分からぬのだろう。ならば偽物でも欺ける。まぁ、残り六つが全て同じかどうかなど、俺にも分からんがな」

堂々と嘯く信長を見ていると、何故だか不思議と上手く行くようにも思えてくるのだが…

「でも…やっぱり危険です。賊は容赦なく襲ってくるんですよね?もし偽物だと気付かれたら…」

信長は不安な表情を見せる朱里を真正面から見据え、口元に不敵な笑みを浮かべた。

「だからこそ俺が囮になる価値がある」

「ええっ!?」

朱里は思わず身を乗り出した。膝の上でぎゅっと握り締めた手にじんわりと汗が滲む。胸の奥がざわつき、息を吸うのも苦しかった。信長があまりにも平然としているのと反対に、不安だけが膨らんでいく。

「俺自らが運べば、相手も疑いを抱きにくい。信憑性は増すだろう」

「そ、そんな…信長様が囮なんて、絶対に駄目です!」

思わず声が裏返る。言い終えた後で、自分でも驚くほど強い口調だったと気付き、朱里は唇を噛んだ。止めなくてはいけない、と咄嗟に声を上げたものの、信長の決めたことを前にすると、言葉がどこまで届くのか分からなくなる。その不確かさが、何より朱里を怯えさせた。
酷く動揺する朱里に対して、信長は眉一つ動かさない。

「奴らの狙いは花だ。俺の首ではない」

「で、でも、信長様を狙う敵だっているじゃないですか!」

言い返しながら、朱里は自分の声が震えているのを隠せなかった。もし信長に何かあったら…そう思った瞬間、胸の奥がきゅっと締め付けられる。頭の中に最悪の光景が浮かび、朱里は慌ててそれを振り払った。

(信長様なら大丈夫。分かっているのに……)


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