第1章 出会い
時は戦国
天下人 織田信長の天下布武への道もあと一歩
ここ小田原の北条氏との会見にかかっていた。
「御館様、間もなく小田原城が見えてまいります。長旅でお疲れではございませんか?少し休憩致しましょう」
秀吉が馬を寄せ、信長を気遣って声をかける。
「疲れてはおらんが、貴様がそう言うなら休憩してもよい。
……では、金平糖を寄越せ」
「また、そんなわがままを…甘味はお控えくださいと、いつも申し上げておるではないですかっ」
「秀吉、御館様のご命令だぞ」
「うるさい、光秀!お前は黙ってろ」
主従がいつものように言い合っていた、その時、
「信長、覚悟ー!」
後方より黒装束の集団が現れ、信長達を取り囲んだ。
「一向宗の残党か。懲りぬ奴らよ。顕如はもはや和睦を呑んだぞ」
「黙れ!顕如様の御為、貴様のその首貰い受ける!」
信長は、振り下ろされる刃を軽々と受け流し、鋭い一太刀を浴びせる。余裕の表情で次々と敵を斬り伏せていく。
「ふっ、他愛もない。この程度で俺の首を狙うとは」