第109章 光秀の閨房指南ー其の弐

愛しい人と一つになれた幸福感でいっぱいになった私は、自分から求めるように舌を差し出し信長様の口付けに答えた。
朱里からの口付けに驚いたように微かに目を見張った信長だが、ニヤリと不敵に笑うと舌を絡ませたまま激しく腰を打ちつけ始めた。

「んんっ！んっ…はっ、あっ…」

急速に高められる快感に何も考えられなくなり、揺さぶられるままに身を委ねる。
二人が繋がった部分からは艶めいた水音と汗ばんだ互いの肌が重なる湿った音が絶え間なく聞こえていた。

「やっ…あっ…ん、深っ…イイっ…あっ…」

「くっ…朱里っ、はっ…もっと乱れろ…もっと俺に…くっ…」

息を詰めてきゅっと眉間に深く皺を寄せる信長の表情が色っぽくて見惚れてしまう。少し掠れた低い声が男らしくて、耳元で囁かれるだけでお腹の奥からじんわりと熱い蜜が溢れ出したのが分かった。
酒のせいで高揚した朱里の身体はいつも以上に濡れやすくなっていて、信長が奥を深く突くたびに溢れた蜜が二人の繋がった部分をぐっしょりと濡らしていた。

(んっ、気持ちよくて…おかしくなる。もぅ…ダメっ…)

「信長さまっ…あっ、もぅ…」

「朱里っ…」

高まる絶頂感に意識が朦朧とし始めた朱里は無意識に信長に向かって手を伸ばし、その背中に縋るように腕を回した。
信長もまた最後の瞬間へ向かって腰の律動を激しくしながら、朱里に覆い被さるようにしてその身体を抱き締める。
互いに強く抱き合った瞬間、身の奥に熱いものが広がっていくのを感じた。

(信長さまっ…)

深く身体を重ねて互いの熱を交わし合う夜は、南蛮酒に漬けられた果実のように甘さが深く濃密に染み渡る。
信長に与えられる熱に身を委ね、朱里はこれ以上ないほどの幸福に包まれてゆっくりと意識を手放した。