第106章 収穫祭の長き夜
夜か朝かも分からぬままに信長に再び強く抱き締められて、身の奥に燻っていた熱に火が点いていく。
一晩中愛された身体は些細な刺激にも敏感になっていて、信長の逞しい身体に触れているだけで、じんわりと熱を上げる。
胸元を合わせ、互いの心の臓の音を感じていると、穏やかで満たされた心地になってくる。
余す所なく愛を注がれた身体は気怠く、疲れも感じていたが、信長が飽きることなく求めてくれることがただ嬉しかった。
(私も何度でも信長様が欲しい。満たされてるのに満たされてないような、この渇望はきっと永遠に続くのだろう…信長様のことになると私はどんどん欲張りになってしまう)
「信長様…もっと…もっと私を愛して。私だけを見て。私をいっぱい貴方で満たして欲しいの」
「くっ……」
深く重なり合う身は互いの熱を激しく燃やし、更なる高みへと押し上げていく。
外は段々と明るくなっているようで、寝所に射し込む朝の光も徐々に広がってきていたが、愛し合う二人の間にはいつまでも長い夜が続いているのだった。