第104章 魅惑の果実
信長様の腕の中から身を起こし、向かい合わせに座る。
パチっと目が合ってしまい恥ずかしくて目を伏せようとした私の顔を、信長様は両手で優しく包む。
「貴様が自分からそんな大胆なことを言うとは珍しいな。さて…どんな奉仕をしてくれるのだ?」
余裕たっぷりの笑みを向けられ、少し怖じ気づいてしまう。
緊張で震える手で信長様の夜着の腰紐を解くと、ゆったりと袷が緩む。
筋肉質で厚い胸板
無駄のない引き締まった腹筋
何度も身体を重ね、見慣れているはずなのに、触れる前から緊張してしまう。
そっと手を伸ばし、指先で首筋に触れる。
「つっ……」
ピクっと微かに身動ぐ信長様の反応に嬉しくなって、今度は顔を近づけて唇を寄せた。
(いつも信長様がしてくれるみたいに、跡、付けられるかな…)
ぎこちなくチュッチュッと小さく啄むように口付けてから、ちゅーっと精一杯強めに吸い着いた。
「くっ…うっ…」
堪えるように顔を背ける信長様が可愛くて、首筋から滑らせた唇で耳朶をパクリと食んでみる。
先程、信長様にされたように耳穴の奥へ恐る恐る舌を差し入れ、中を舐めてみた。
くちゅっ…と湿った水音が鳴って心の臓が跳ねる。
「っ…朱里っ、待て…うっ、あぁ…」
(擽ったいのかな…可愛い)
悩ましげに吐息を漏らす信長様が可愛くて、更に深くまで舌を進めようと首に腕を回して抱き着いた。
「くっ…待てというのに貴様っ…」
「んっ…もっと気持ちよくなって、信長さま」
乱れた襟元へ手を差し入れて肩口から夜着を滑り落とすと、信長様の逞しい身体が露わになる。
(うわっ…素敵過ぎて目に毒…)
自分でやっておきながら目のやり場に困ってオドオドしていると、信長様はお返しとばかりに私の夜着もあっさりと滑り落としてしまった。
「あっ、やっ…」
上半身を隠すものがなくなって露わになった胸が信長様の目の前で揺れてしまう。
恥ずかしくて慌てて離れようとした私を、信長様はぎゅっと抱き締めた。
「やっ……」
(む、胸…信長様の顔に胸が…)
信長様は、胸の谷間に顔を埋めるようにして私を抱き締めたまま離さない。
胸の尖りに荒々しくも熱い吐息を感じてしまい、お腹の奥がジクジクと疼く。
(ダメっ…これじゃあ、私からの奉仕にならないよ…)