第20章 大晦日の夜
信長様は胡座をかいて、その上を跨がせるように私を座らせる。
着物の裾が大きく割れて、脚が露わになってしまう。
信長様の脚の間に座ったせいで、否が応でも感じてしまう信長様の熱。
そこは既に着物の上からでも分かるほど硬く勃ち上がって、存在を主張していた。
「っ、やぁん、だめ…」
「くくっ、貴様といると煩悩は一向に祓えんな。鐘がいくつあっても足りんわ」
可笑しそうに言いながら、自然な手付きで帯を解き、袷に手を掛けて着物を脱がす。
………………………
と、そこで突然、信長様の手がピタリと止まる。
着物を脱がされて襦袢一枚になった私を見て、ほう、と悩ましく息を吐く。
「………朱里、これは何の趣向だ?」
襦袢の上からツーっと身体の線をなぞりながら、艶を帯びた声色で問われる。
「っ、はあぁ、ん…これはっ、城のお針子さん達が私の為にって作ってくれて…」
そう、今宵私が身に付けている襦袢は、以前、針子部屋を訪ねた際にお針子さん達から提案された新しい襦袢。
夏物の紗というごく薄い生地で作られているそれは、まるで天女の羽衣で作ったかのような透明感に溢れた淡い色合いをしている。
そして……身体の線がはっきりと出てしまうほど薄い……
「ほぅ、針子たちがな……
朱里、俺の前に立て。もっとよく見たい」
熱っぽい目で見つめられ、恥ずかしいのに逆らえない。
言われるままに立ち上がり、信長様の目の前に全身を晒す。