第99章 新たな出逢い
感じるところにグリグリッと腰を押し付けられながら、鏡越しにじっと見つめられて、逃げ場のない快楽の波に飲み込まれる。
「朱里、答えよ」
「うっ…あっ、んっ…も、やぁ…」
あられもない自分の姿に耐えられずにぎゅっと目を閉じると、溜まっていた涙が一筋零れ落ちる。
信長様は私の頬に唇を寄せると、零れた涙をちゅっと舐め取る。
信長様の唇が触れたところから熱が広がるように、かぁっと身体が熱くなってくる。
頬を伝う雫の冷たさとは反対に、身体の奥に点った熱は一層強く燃え上がる。
だというのに、信長様は身体を繋げたまま動こうとはなさらない。
身体のナカに信長様の昂りを感じながらも、それ以上の快感が与えられないことに焦ったくなってしまう。
羞恥に晒され、焦らされて、気持ちの余裕を失って……耐えきれなくなった私の瞳からは、また一つ、冷たい雫が零れ落ちた。
「ふ、んっ…信長さまっ…」
「っ…泣くな、朱里」
「っ…くっ…ふっ…信長さまのせい…意地悪ばっかり、する、からぁ…ひっ、くっ…」
泣くな、と言われたことで、逆に抑えていた感情の糸が切れたように止めどなく涙が溢れてしまい、自分でもどうしていいのか分からなかった。
(信長様と身体を繋げてひとつになって…今、満たされているはずなのに…こんなにも涙が止まらないのは何故だろう…)
この涙が恥じらいからのものなのか、悲しみからのものなのか、それすらも分からなくなっていく。
「信長さまっ…もぅ…許して…私、もぅ…」
「くっ…朱里っ…」
涙に濡れる顔をそっと包まれて優しく唇を塞がれる。
宥めるように、チュッチュッと小さく何度も唇を啄まれる。
そうして優しい口付けを受け止めているうちに、乱れた心は次第に落ち着きを取り戻していった。
「あっ…んっ…ふっ…」
「許せ、朱里。貴様を泣かせるつもりはなかった」
唇を離した信長様は、どことなく悩ましげな顔で私を見る。
「んっ…じゃあ、お仕置きはもう…お終いにしてくれますか?」
「……………」
「お願い…信長さま。もぅ…ちゃんと愛して欲しいの…」
「くっ…貴様という奴はっ…本当に俺を煽るのが上手いな。もう少し、この口に色々と言わせてみたかったのだがな……良いだろう。貴様の望み、叶えてやる」