第97章 愛とは奪うもの勿れ
襖の隙間から中を覗き込んだ綾姫が見たものは……
「あんっ…んっ…ふっ…」
「くっ…朱里っ…うっ…」
乱れた衣から逞しい身体を惜しげもなく晒して、朱里を褥へ組み敷く信長の姿だった。
筋肉質で引き締まった信長の身体の下には、透き通る陶器のような白肌が見える。
ちゅっちゅっ、と音を立てて胸元に吸い付きながら、信長の骨張った手が朱里の色白な肌を這い回る。
内腿の柔らかな皮膚に指先を滑らすと、ピンっと伸びた足の先がヒクヒクと震えた。
ピチャピチャと淫靡な水音を立てながら胸の尖りに舌を絡ませていた信長の頭が、ゆっくりと下へと沈んでいく。
「あっ…んっ…やっ、そこ…やだぁ…」
朱里は抗いの声を上げ、信長の柔らかな黒髪にくしゃりと指を埋めながら、恥ずかしそうに顔を反らす。
朱里の柔い抵抗を物ともせず、その秘部に顔を埋めると、尖らせた舌をぐちゅりと挿し入れて溢れる蜜を掬い取るように舐め上げる。
「あっああぁーっ!ひっ…うっ…」
大胆に開いた足が、ガクガクと痙攣している。
「くくっ…もうイッたのか?」
朱里の足の間から身を起こし、満足そうに口元を緩めると、口の端に付いた蜜を舌でペロリと舐め取った。
信長が身を起こす時、チラリと流し目を寄越されたような気がして慌てて身を縮こまらせる。
(やっ…嘘っ…信長様、気付いていらっしゃる…?)
覗いているのが分かってしまったのかと、焦りを覚えて身体を硬くする綾姫だったが、信長は、フイっと視線を戻して妖艶に微笑む。
夜着の腰紐に手を掛けてシュルリと引き抜くと、少し荒々しく裾を開いて、熱くなった昂りを取り出した。
見せつけるように、自らの手で二、三度扱くと、先からトロリと粘り気のある粘液が溢れて竿をねっとりと濡らす。
(やっ…あれが信長様の…すごい…)
男の経験がない綾姫は、ソレを見るのも勿論初めてで、信長の手が上下に動くたびに聞こえる、にちゃにちゃといういやらしい音に頭がクラクラしてしまう。
凶暴なまでに反り返ったソレは、赤黒く太くて見るからに硬そうだ。生々しい男の象徴から、綾姫は目が離せないでいた。
喉の渇きは益々ひどくなり、息をするたびに喉の奥がひりついた。
(息が…苦しいっ…これ以上見ちゃダメだ…)