第18章 宴のあと
明け方〜
ヒンヤリとした空気に寒気を感じて目を覚ます。
師走に入り、日の出の時刻は徐々に遅くなっており、夜明け前の今、まだ外は暗い。
(あのまま眠ってしまったのか……)
つい暫く前まで互いに求め合い、飽きることなく睦み合っていて、それからあまり時間は経っていないようだった。
腕の中ですうすうと寝息を立てる朱里は一矢纏わぬ姿、己を振り返ってみると、己もまた素っ裸だった。
(くくっ、これでは寒いわけだな…
この俺がこのように無防備な姿を晒すとは…家臣らには到底見せられん)
一人、苦笑いを浮かべながら、手探りで布団を探し出し、朱里の身体に掛けてやる。
「ん、のぶながさま…だいすき…」
寝言を言いながら己の胸元にすり寄ってくる朱里に、愛しさが込み上げてきて、そっと額に口づける。
(このように無防備な姿を見せるのも、貴様にだけだ)
「俺も…愛してる。生涯放さぬ。
貴様は俺だけのものだ」