第95章 雪の日に
雪遊びで冷え切っていた身体は、今はもう熱いぐらいになっていた。
信長は額から汗が滴り頬を伝うのを感じて、煩わしげに顔を顰める。
「んっ…あ…信長さま…」
朱里の手が信長の頬に触れ、華奢な指先が滴る汗をそっと拭う。
その優しげな手つきに、ハッとして顔を上げると、朱里は柔らかく微笑みながら信長の頬に触れる。
「っ…朱里っ…」
先程まで、快楽に溺れ、艶やかな喘ぎを漏らす淫らな姿を見せていた。今この時も信長のモノを咥え込み、いやらしく腰が揺らいでいるというのに……信長の汗をさり気なく拭い、包み込むように優しく微笑むその姿は純粋そのもので、天女の如く美しかった。
(本当に…いつまで経ってもこの女は俺の心を捕らえて離さない。愛おしい…この世の誰よりも…)
狂おしいほどの愛おしさに突き動かされるように、信長の昂りは朱里の身の内で質量を増す。
「っ…くっ、朱里っ…もう……出るぞっ…」
「あぁ…信長さまっ…私、もぅ…あ"ぁっ…」
ーずぶっ…ぱちゅんっ…びゅくっ!びゅくっ…
(あぁ…信長様のが奥にいっぱい…んっ、熱いっ…あっ…)
信長の熱い迸りを身の奥に受けると、すぐに子宮がきゅうきゅうと収縮するのを感じる。放たれた精を全て取り込まんとするかのように、お腹の奥が打ち震える。
「くっ…はぁはぁ…」
朱里の最奥に吐き出した後も、信長の熱は一向に収まらず、ナカに留まったまま、すぐに充分な硬さを取り戻していた。
(もう少しこのままで…離したくないな)
繋がった部分をぴったりと密着させたまま、離れがたい想いで朱里の身体を抱え直す。大きく開いた脚がガクガクと小刻みに震えている。
「……朱里、まだ足りない。もっと…貴様が欲しい」
耳朶を柔く喰みながら耳の奥へ甘い吐息を注ぎ込む。
溢れる吐息すら熱く、これが湯殿の熱さのせいか、抑えられない男の情欲のせいか、もはや信長にも分からなくなっていた。
(分かっているのは、ただ一つ。何度抱いても満足など出来ない…永遠に貴様が足りていないということだけだ)
「っんっ…信長さま…私も…もっと貴方が欲しい。もっと…いっぱい、シて?」
羞恥に染まる顔を見られぬように信長の肩に顔を埋めながら強請る朱里の愛らしい姿に、ぎゅうっと胸を締め付けられる。
(あぁ…やはり全然足りない。この渇望はきっと止まることを知らない…永遠に)