第93章 緋色の恋情

とろんと蕩けた顔をしながら、朱里は自ら腰を揺らす。
そうすると、硬くなった一物で尻の割れ目を擦るような形になり、信長の方も夜着越しでもかなり気持ちが好かった。

「あっ…ンンッ、くっ…ふぅ、あっあっ…イイっ…硬いの、欲しっ…あっ…」

(まだどこも直接触れていないのに、こうも淫らなことを口走るとは意識もおかしくなっているのか…？)

普段なら恥ずかしがって言わないような淫らな言葉が、だらしなく半開きになった口から次々に漏れる。

「朱里っ、少し落ち着けっ…」

うわ言のように喘ぎを漏らす口を塞ぐように唇を重ねる。

ーちゅうっ…くちゅっ、ちゅぷっ……

朱里を落ち着かせようと口付けたが、逆に信長の口内へと舌を激しく絡ませてくる。
朱里の異常に熱い舌が信長の口内で生き物のように蠢く。

「んんっ…あっ、はぁ…信長さまぁ…欲しっ…」

身体が疼いて我慢できないのか、朱里は唇を重ねたままで信長の夜着の袷に手を忍ばせて、直接肌に触れてくる。

「あっ…はぁ…信長さまっ…欲しい…シてぇ」

身をクネクネと擦り寄せながら、朱里の手は信長の肌を這い回り、性急に夜着を脱がせようとする。

「くっ……待てっ、ここでは……」

庭に面した縁側に腰掛けたままの信長に、大胆にも跨がってくる。
夜着の裾が捲れ上がり、真っ白な太腿が宵闇の中で露わになるが、朱里はもう気にもならないようだ。
先程から、欲しい欲しいとうわ言のように何度も繰り返しては、火照った身体を擦り寄せてくる。


だが…さすがに、ここでは拙い。
二人きりとはいえ、外でコトに及ぶのは、さすがに気が引ける。
かといって寝所へ戻れば、子供達が眠っている。
常より乱れた様子の朱里が、子らの横で抱かれて声を抑えられるとは到底思えない。

(吉法師はよいとしても、結華に見られるのはさすがに拙い。さて、どうするか……)

「やっ、あんっ…信長さまぁ…早くっ…ンッ、なんでシてくれないのぅ…んっ…コレ、欲しいの…」

信長の足の間に手を伸ばし、分かりやすく膨らんだソレを物欲しげに撫でさする。

(こやつ、完全に正気を失っておる。よもや毒キノコ…ではなかったのだろうな…)

朱里のあまりの乱れっぷりに、急に心配になってくる。

快楽に本能のまま溺れて善がる朱里は大歓迎だが、身体に害があっては困るのだ。