第92章 帯解き
いつもと違う、少し強引な信長の愛撫は、酒による酔いのせいだろうか…
今宵の信長は、珍しく酔っているようで、無理矢理ではないにせよ、その愛撫は些か荒々しかった。
子を産んでひと月ほど経つが、信長に抱かれるのは数ヶ月ぶりだった。それ故に今宵の信長の愛撫は刺激が強すぎて……自分の意思とは関係なくひどく濡れてしまっていた。
「……こんなに濡らして…いやらしいな。尻の方まで垂れてるぞ」
じゅるじゅるっと卑猥な水音を立てて割れ目に吸い付きながら、はぁっと熱い吐息を吹きかけられる。
「ひぁ、うぅ…そんなとこで、喋らないでぇ…」
酒精の混じった息がかかるたび、入り口をぱっくりと拡げられた蜜部は更なる快感を求めてはくはくと震える。
溢れた蜜を掬い取るように、舌を大きく動かして蜜穴の奥まで舐められて、堪えようのない快感が背を駆け上がる。
「あ"あ"ぁっ…ンッ、イイっ…」
背を弓なりに反らし、ビクビクっと跳ねる朱里の腰に、信長の逞しい腕が絡まる。
「もうイったのか?ふっ…舌だけでこんなにトロトロにして…貴様はいつからこんなに淫らになったのだ?」
唇に付いた蜜を、長い舌でペロリと舐め取りながら、足の間から上目遣いで見上げてくる信長はひどく妖艶で、その視線だけで感じてしまった朱里の蜜部は、言われたそばから勝手にトロリと蜜を溢してしまう。
「あっ…んっ…」
「くくっ…俺が触れていないのに溢れさせるとは…これは仕置きが必要だな」
キュッと胸の尖りを摘まれて、強めに引っ張られる。
乱暴な触れ方に、感じる痛みすら、ぐずぐずに蕩けさせられた身体には、もはや快感でしかない。
「やっんっ…痛っ…意地悪しないでぇ…」
絶え間なく与えられる快楽に溺れて、潤む瞳で訴えるように見つめてくる朱里を見る信長の昂りは、これ以上ないほどに滾っていた。
酒のせいで高揚する胸の内と、夏のように暑くなり汗ばむ身体は、自分のものではなくなってしまったかのように自制が効かない。
朱里の足の間から身体を起こし、額に浮かぶ汗を拭う。
激しく滾った一物は、先程から下帯の中で痛いぐらいに勃ち上がっている。
性急に着物の裾を割り、下帯を解こうとするが、あまりに気が急いているせいか、はたまた酔っているせいか、みっともなくも手間取ってしまい苛立ちが更に募る。
(くっ…俺としたことが、何というザマだ…)