第83章 心とカラダ
これまでに幾人もの女と関係を持って、女の身体は隅々まで知り尽くしていると思っていたが、これは想像以上だった。
責める側として女を感じさせるのと、責められる側として自分自身で直に快楽を感じるのとでは、これほどに違っていたのか、と愕然とする。
硬い張形を、ずぼずぼと抜き挿しするたびにナカから蜜が溢れて、ねっとりと朱里の手を汚していく。
ぬちゃぬちゃという湿った水音とともに、黒い張形に纏わりつく粘ついた白い愛液。
その卑猥な光景に、頭の中が抑え切れない興奮で煮え滾る。
自分の身体が自分のものではないかのように、抑えが効かない。
じわじわと高みに昇り詰めていく感覚。
頭は興奮で沸騰しそうなのに、身体の神経は手先足先まで研ぎ澄まされたように、敏感になっている。
もはや、ほんの少しの刺激でも簡単に達してしまいそうだ。
いつの間にか、カラダだけではなく思考も女のそれになっているらしく、責められ、突かれることに無上の悦楽を感じるようになっていた。
女のような高い喘ぎ声が、止め処なく口から零れ落ちる。
「んっっ…あぁ…朱里っ…イイっ…んっ…もう…」
「っ…信長さまっ…もっといっぱい、感じて…?」
一際深く貫かれて、奥の敏感なところに張形の先がコツンと当たった瞬間、背筋を駆け上がる愉悦に、身体が激しく跳ねる。
ーびくっ…びくびくっ…
「ぐっ…ああぁ……」
大きな波に飲まれ、全身をふわりと包み込まれるような、何とも言えない高揚感に襲われて、堪らず朱里の身体をぎゅっと強く抱き締めた。
完全に、心もカラダも女になっていた俺は、愛しい女の目の前で、その愛らしい手によって、激しくも心地好い絶頂を迎えたのだった。