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桔梗と龍

第2章 戸惑いと仲間


これまた袴姿の男の子。

長い髪をポニーテールのように結んでいる。


「遅いッス!どこかで斬られてるんじゃないかと思いましたよ。」


今、すごい事言わなかった?


私が固まってると

「こちらの珍妙なおなごは・・・?」

と少し警戒の眼差しで見つめられる。


・・・ち、珍妙??


「これ、中岡!確かに千春さんは珍妙じゃがそんな目で見るでない!」


龍馬さん、それフォローになってないよ・・・。

私は項垂れると「桔梗畑で会って連れて帰るとこぜよ」と説明してくれた。


「そうだったッスか!珍妙なんて言ってすみませんッス。」


男の子はペコリと頭を下げてくれた。


「あっ、いえ、そんなご丁寧に・・・。」


とわけのわからない事を言って頭を下げる。


「俺は中岡慎太郎ッス!龍馬さんのお客さんなら大歓迎っスよ!」

満面な笑顔で言われなんだかホッとする。


「龍馬さん、そろそろ新撰組の見回りの時間です。」

中岡さんが神妙な顔で龍馬さんに言うと「わかっちょる」と笑顔で答える龍馬さん。



・・・新撰組・・・?


私が目を丸くしてるとフワッと体が持ち上がった。


「えっ!?ひゃあっ!」


「千春さん、すまんのう。ちくと急ぐからおんしの事を抱えて走るぜよ。」


ニカッと笑う龍馬さんの顔がち、近い。


「いやっ、あのっ。」


私の返答を待たずに「行くぜよ~」とひょうひょうと走り出す。


息ひとつ切らさない龍馬さんを下から見つめると、私の視線に気がついた龍馬さんが少し頬を赤らめて笑ってくれた。
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