第3章 金糸雀色に染まる【四ノ宮那月】
「これなら、すみちゃんともっともーっと近づけますね。目を見るのも、恥ずかしくないですか?」
「……那月くん、ずるいよ」
「ずるいですか?」
「……ずるい。私が欲しい言葉、全部くれるのずるいよ……」
「僕にしてみれば、すみちゃんの方がずるいです」
「どうして?」
那月くんがずるいと感じることって、なんだろう。
「すみちゃんはいつも、とーっても可愛いから。僕、すみちゃんのことを見るたび、話すたび、どんどん好きになっていくんです。だからすみちゃん」
私の髪に指先を忍ばせ、那月くんは声を潜めた。
唇が、耳元へ移動したのを感じる。
「責任、とってくださいね」
金糸雀色のふわふわな髪が、頬にあたって擽ったくて。那月くんの、優しくてあったかい言葉に、心を擽られて。王子様みたいな包容力に、乙女心を擽られて。やっぱり私は子供みたいだけど、那月くん相手なら、それも良いか。