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LIvERARTE【BLEACH】

第7章 Nostalgic Noise


綴は布の下で、震える息を吐いた。俯くふりをして、袖の中に隠していた指先を腰へ滑らせる。そこにある柄へ、ほんの僅かに触れた。

誰にも見咎められない程度の、ただ手を落としただけに見える仕草。だが、その一瞬で十分だった。指先から、冷たいものが返ってくる。

否。

それは言葉ではなかった。声でもなかった。けれど綴には分かった。長い年月、身の内よりも近い場所に在り続けたものだけが返す、静かな応え。

綴の中で、濁っていたものが一気に澄んだ。

____やはり、違う。

膝から力が抜けそうになった。

安堵ではなかった。終わっていなかったことへの、ひどく歪んだ安堵。そして同時に、背筋を氷の指で撫でられるような恐怖。

あの男は、ここにはいない。

綴はゆっくりと顔を上げた。

壁に磔にされたそれを、もう一度見る。

死体に見える。死体として置かれている。死体として信じさせるために、ここにある。

ならば、これは誰のための舞台だ。

誰を泣かせるために。誰を疑わせるために。誰を、どこへ動かすために。

綴は奥歯を噛み締めた。掌の中で柄の感触だけが、現実のように確かだった。

藍染惣右介は、生きている。
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