第7章 Nostalgic Noise
「はずれ――っ」
軽い動きで攻撃を避けていく京楽に茶渡は何度も何度も技を撃っていく。
「……もうよしなよ。もうわかったろう。キミの技は確かに凄いさ。カタいし迅いし破壊力だって人間にしちゃ相当なもんだ。だけどボクには当たらない。それが全てだよ」
茶渡の技と技の間に綴も鬼道を放つが、京楽はそれすらも華麗に避ける。
焦りの見える茶渡とは逆に綴の顔には何の感情も浮かんでいない。京楽はそこではてと首を捻った。
「破道の三十番台の詠唱破棄が出来るなら縛道もある程度出来ると思うんだけどキミは何故しないんだい?彼の技が直で当たれば流石にボクも無傷じゃ済まないと思うよ」
「……京楽隊長、貴方は朽木ルキアの処遇が正当だと思っているんですか?」
先程から技以外に一向に言葉を交わさなかった綴が問いには答えず、京楽に疑問を投げかける。
「……それはお上が決めることだよ。キミ達の目的はルキアちゃんなの?……ということは、そうか。空座町に配属された死神からレーダーに反応したはずの虚が消えたという報告が以前から偶に上がってきていたんだけど、もしかして君かな?」
何も言わない綴の様子から京楽は綴の返答を是と受け取り、更に言葉を続ける。
「だとしたら君も誰かに死神の力を譲渡されたのかな。ルキアちゃんが力を与えた相手は少年だと六番隊が報告していたはずだし。……でもそんな死神がルキアちゃん以外にいるなんて聞いたことないなぁ。それに霊術院に通っていないにしては鬼道の使い方が上手いし……。キミは何者だい?」
「……そんなのはどうでもいいことです。私達は一護のためにルキアさんを助けたいだけです」
綴は京楽の質問には答えず、自分達がここにいる理由を口にした。
その内容、表情から京楽は綴の嘘を垣間見た。