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LIvERARTE【BLEACH】

第3章 This Story Has Already Begun


ダガーンと大きな音が2階で響いた。
一心が一護を起こしたのだといつもの調子に柚子は一護の茶碗を取り出し、綴は味噌汁を注ぎ始める。

「あの穴、なんなんだろーね」
「てかなんであたしたちトラック突っ込んどいて誰も起きてないのさ」
「あはははは。遊子ちゃんも夏梨ちゃんも無事で良かったよ」

3人が顔を向けたその先の壁には大きな穴が空いており、一心がやったのであろう一時しのぎにも満たない木の板が何枚か打ち付けられている。3人とも首を傾げながら降りて来た一護を迎えた。

「綴、ケガとかしてねぇか?」
「うん、こんな事故があったのに起きないほどぐっすり寝てました!一護の方こそ大丈夫?」
「……ああ。何ともねぇ」

全員でもう一度近くで壁の穴を見た後、心配そうに見つめてくる一護に綴は笑って何ともないとアピールをする。朝食を済まし荒れたリビングを大まかに片付け、2人は3限に間に合うように家を出た。

時間外れの登校中、難しい顔をしながら手を差し出してきた一護に驚きながらも綴はその手を繋いだ。

何年ぶりかという程、出会って間もない頃以来ではないだろうか。

綴は微笑ましくなって繋いだ手から目を離し一護を見つめると、一護はふいと逆の方向を向いた。

「そろそろ着くな」

高校の前の道路に着く手前の曲がり角で一護がそう呟き手を離す。

「私はこのまま学校行っても良かったけどなー」
「バッ、カ!?お前な!?」

少し名残惜しそうに告げた綴に明らかな動揺を示した一護。

「嘘でーす」
「綴!!待て!!」

クスクス笑いながら駆け出したにからかわれたのだと気づいた一護はそれを追って、2人は高校に入っていった。
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