第5章 Walk In The Dark
ルキア奪還に向けて招集された面子へ穿界門、そして門をくぐった後の世界、断界の話がされる。
負ければ二度と現世へ戻って来られないという夜一に一護は啖呵を切った。
「勝ちゃいいだけの話だろ!」
「その通り!」
浦原と握菱が術を施せば、霊力が音を立てて集まっていく。
「用意はいいっスか?開くと同時に駆け込んでくださいね」
「わかった」
一護の声に決意を新たにした面々は穿界門に向き直る。尸魂界へついていこうとしていたコンは体を縛られ全身をジタバタと動かしていたが、一護の「家のことを頼んだ」という声に現世を残ることに決めたのだった。
「いきます!」
「おう!!!」
穿界門が光を放って開いていくのと同時に一護達はその中へと飛び込んでいった。
彼らの影が見えなくなると、岩陰から綴が顔をのぞかせる。
「じゃあ私も行くね」
穿界門へ足を踏み入れる綴の表情は二人には見えない。
「どうかご武運を」
帰ってきてくださいという言葉を飲み込み浦原はその背中を見送る。穿界門に手を伸ばすが、門はその手を弾き、浦原を通すことを認めなかった。
「……任せましたよ。黒崎サン」
誰にも聞こえない声が断界へと吸い込まれていった。