第4章 The Straight Road
打ち付ける様な雨が部屋の中に入ってしまわないように窓を閉じていたコンはコツコツと窓を叩く音がして慌てて窓を開けた。
「綴ちゃん!!」
「ただいま」
「一護と姉さんはっ!?」
「一護は平気。治療の為に喜助のところにいるわ。ルキアさんは……ごめんなさい」
「そうっすか……」
綴に掴みかからんとする勢いで聞いてきたコンに現状を包み隠さずに伝える。
するとその回答に落ち込むコン。その姿に綴や浦原にとっては予定調和であったこの出来事を振り返って少し申し訳なくなり眉尻を下げたが、その罪悪感を振り払い綴はコンににじり寄る。
霊体の綴が動いたところでベットが軋みはしなかった。
「でも助けるから」
「本当か!?」
「ええ、本当。そのために一護は特訓を始める」
綴は顔を上げるコンの肩を掴み、そのまま左右に揺さぶった。思ったより随分近くにいた綴に驚いただけで無く、視点も定まらない。
「だから……その間一護の代わりにこの家をよろしくね!」
「ふぁっ、ふぁい!」
コンの魂が抜けかける程激しい動きに釣られて頷いたコンは、「それじゃあお願い!」と言って出ていった綴の後ろ姿を眺めながらようやく自分の押し付けられた役割に頭を抱えることになるのだった。