第5章 4. ソーダーライト
ガチャ
熱く重苦しい閉鎖空間に突然空気が流れ込んだ
入ってきた男の前にはベッドに転がる2人の男女
男の方は先程意識を失ったばかりで女は入ってきた男の方に顔を向ける
「君だよね、面白いことをする子って」
男もまた女に顔を向ける
男に顔を向けられた女は何を思ったのか上の空間にいる両親に早くこの男を出してくれ、そう吠えた
けれどそんな娘の声を聞いた両親は気まずそうに目を合わせ、そして逸らした
戸惑いほえる女をその部屋にある拷問器具のひとつに無理やり座らせた男は歪んだ笑顔で名乗った
「君は僕の贈り物を喪に似合うイヤカフと言ったよね」
と。
「君は"面白いこと"を言ったし、
一応僕のお仲間が傷付けられたから来たんだ。」
「あんなイヤカフを可愛い子に送った僕だけど、名前はジェットっていうよ。お子様は知らないかな」
"ジェット"
それは組織のボスの呼び名
裏世界に足を突っ込んでいるものなら知らない人はまず居ない
その存在は稀有で情報は皆無
だが誰もが恐れる、それがその人
例外はない