第5章 4. ソーダーライト
「媚薬、自白剤、有名所の毒の耐性を付けておきなさい」
任務に向かう車の中はやけに静かだった
黒く所々が輝く身体のラインが良く出るドレスに身を包み綺麗なブロンドの髪をアップにしたダイヤモンドは無駄な話はしない点でいつも通り
いつもなら心酔しきっているダイヤモンドに甘えるハックマナイトだが今回は真紅のドレスを身に纏って真っ黒い瞳で淡々としていた
ダイヤモンドとハックマナイトから聞いた事でしか知らなかった男ヘリオドールは噂に反して静かな男だった。見た目は金髪で派手、顔つき彫りが深く1人歩きしそうな髪の色もよく似合っていた。体格の良さがより男の存在を際立たせている
ただ、ヘリオドールは不機嫌そうにダイヤモンドの手を弄んでいる
一本一本の指にキスを落とし愛しんだり、自分の指と絡ませたりと…
「ハックマナイトに預かり物よ。つけておきなさい」
そういったダイヤモンドはポーチから小さな箱を取り出しハックマナイトに渡した
ハックマナイトは不思議そうに箱を受け取りそっと開く
中には ただひたすらに黒い色のイヤカフが一つ入っていた
それはやわらかい光沢があるだけで煌びやかとは言えない物に見えた。