第3章 2.
全然気付かなかったが、俺の指には
ペリドットがハマったリングが
彼の指には、サファイアが輝くリングが
嵌められている
拳の中には恐らく俺と彼にはが
これから使う部屋の鍵が握らされていた
『(いつの間に…)』
車が動き始めると同時に、
さっきまで一言も話さなかったビクスバイトが口を開いた
[もし、お前ら2人がNo.入りしたいなら、
No.5までの誰かの大切な人を殺す必要がある]
『?』
[例をいうが、No.2から4の3人は
ユークレースの身内を殺してNo.入りした。
No.2のダイヤは彼の恋人を、
No.3のヘリオドールは彼の親友を
No.4のハックマナイトは彼の家族を殺した。]
[俺はしていないから6止まりだがな]
『……、そうか』
胸糞良い話ではない。
人を殺さないとNo.入りは出来ない
しかも、仲間同士が恨み合う環境だと言うのだから恐ろしい
「なんでお前はそれを聞いて平気なんだよ…。
大事な奴を殺されてんのに、、なんでNo.5は組織に居るんだ」
ポーカーフェイスを試みていたようだが
我慢できずに口を零したサファイア
サファイアが、綺麗事ばかり言う奴が、
ここにいることに酷くイラついた
[あいつがまだここにいて平然としてる理由、
お前も壊れたら分かるんじゃないか?]