第5章 パーティの夜※
「ルカ! 久しぶりじゃない?」
「ミアさん、お久しぶりです。相変わらずお綺麗で」
高そうな宝石のようなもので着飾っている、派手な感じの女の人が寄ってきて彼の首に腕を回した。
ドン、とその拍子に女性のお尻で軽く突き飛ばされて慌てて壁に手をつく。
「うふふ。貴方ほどじゃないけど」
耳が無い。何族なのかな? そして仰け反り気味のルカさんに音を立ててキスをする。
はいここまで私は空気扱いね。
「え、あら! パートナーを連れてだなんて珍しい」
「こんにちは」
やっと私の姿を認めてくれたその女性は頭の上から足先まで私を品定めするように目を滑らせた後に、ルカさんの耳元で何かを囁いた。
でも私には聴こえてる。
猫の聴覚なめんな。
『ルカ、趣味変わったの?こんな子供連れなんて』
今晩は確かに、ルカさんを元気づける為に私はここに居る。
口が悪いのは許して欲しい。
だって、こんなのは聞いてないもの。
時はつい、半日前の事。