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小さな愛【R18】

第3章 一人目 案内人ルカ



キスには色んな種類がある事を、今日私は知った。
その感触の心地良さに、今度は薄らと目を閉じそうになった頃。音もたてずそれが離れた。


「これからもよろしくね、リラちゃん」


そう言ってこつんと額をくっつけ、目を合わせて彼がそんなことを言う。


「明日の夕方位に出発するとして、今晩は一緒に寝ようか」

「……………」


この余裕の表情は、また私をからかうつもりなんだろうか。


「………い、らない、です」

「遠慮すること無いのに」

「遠慮なんかしてないですから!」


結構な剣幕で意地になる私に、ルカさんはそれ以上言い返さず寝室の出口に向かい苦笑した。


「いいけど。リラちゃんそれ、威嚇してる雌猫にそっくりだなあ」

「放っといてください」

「思い当たらなかったけど、きみは一人で寝るのに慣れてなかったんだね。もしまた悪い夢をみたらいつでも呼ぶんだよ」

「…………」

「おやすみ」


そうやって寝室を出て行く彼を、私は何とも言えない気分で見送った。




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