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小さな愛【R18】

第3章 一人目 案内人ルカ




「ここに来て『ある人』に教わった。きみの役に立つと思うよ。………で、僕もきみと一緒に行っていいかな」

「え?」


言葉の意味が分からず私は聞き返す。

ルカさんは静かに目を閉じ、急速に縮んだかと思うと、元いた場所からふっと消えて見えなくなった。


「る、ルカさん!?」


な、なんだろう? 前の世界でキルス様が現れた時と、逆戻しのバージョンのような感じ。


「ルカさん!!」


私は起き上がって彼の姿を探す。

リラちゃん。

声が聞こえる。


「ルカさん? どこですか?」


きみの中。
うーん、正確には頭の中、かな。

え、え?
私はぶんぶんと頭を振る。

ふふ。そうじゃないけど……
僕は思念で相手の身体に入り込むことが出来る。
記憶や思考を特定の人に体ごと意識を乗っけるって事なんだけど……ただ、繋がりのある相手位じゃないと無理って聞いてたから、やったのは初めて。


「へぁ……」


私は驚きのあまり間抜けな返事を返してしまう。

この姿だときみの邪魔にならないし、それになんていうか、リラちゃんは色々危なっかしいね。僕はここの世界に慣れているからきみを助けてあげられるし、実体の姿だったら、物理的にも少しは守ってあげられられると思う。


「で、でも……」


きみは成弥を助けたいんでしょう?
リラちゃんが生きて帰らないと彼が死んでしまうよ。


「…………」


それとも、リラちゃんは僕じゃ嫌かな?

なぜか私の顔がかあ、と熱くなった。


「そ、そんなことないです! ルカさんはとても色々知ってますし素敵な人です……ただ………」


ん?


「どうしてですか? 私なんかのために」


…………………

少しの沈黙があったので、私は彼の言葉を待った。


「……わっ?」


と思うと、私の傍らにいきなり再びルカさんの姿が現れる。
これ、少し心臓に悪いかも。


「リラちゃんがかわいいから?」

「へ?」

「ふ、冗談。 いや嘘じゃ無いけど、他にもいくつか理由があるね」


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