第3章 一人目 案内人ルカ
ああ、俺はここで死ぬのか。
俺を飼ってくれた婆ちゃん。
爺ちゃんが死んで、もう俺だけだと泣いてた。
暫く俺たちだけで過ごしてたけど、婆ちゃんに病気が見つかって。
俺を膝に乗せて撫でながら、俺には自分みたいな思いはさせたくないって泣きながら俺を手放した。
婆ちゃんも一人で死ぬんだろう。
でももしまた、もしも会えるなら……
男が近付いてくる。
もし婆ちゃんに会えたなら─────
そこでぷつりと言葉が途切れ、乱暴に首元を掴まれ湯の中に放り投げられた瞬間に目の前が真っ暗になった。