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小さな愛【R18】

第3章 一人目 案内人ルカ



ガラスの細長い花瓶みたいな器にコップが二つ乗っている。


「なんですか?」

「さっきのお詫びに。いいもの」

「?」


ルカさんが部屋にある、鏡台にそれらを置いた。
持っていた瓶に入った、なにやら金色の液体を注いでから、そのグラスを体を起こした私に寄越した。クンクンとその匂いを嗅いでみる。


「!!」


これ……
久しぶりのこのふわふわ感。


「またたびですね!」

「当たり」


ほんの少し注いでもらった、ちょっとトロリとしたその液体をこくん、と飲んでみる。
またたびの木と甘い蜂蜜みたいな、あと喉がかあっと熱くなるような、変わった味がする。


「リラちゃんはお酒飲むの初めてかな」


ルカさんも自分の器に注いだそれをゆっくりと口に含む。


「はい。でも美味しいれす」

「っと、ほら。もっと少しずつ飲んで」


即効性のあるまたたび効果で、早速ろれつが怪しくなりつつある私を眺めながら仕方が無いなあ、という表情で微笑むルカさん。


「ごめんね、さっきはからかって」


理由は分からないけれどまたじわ、と私の目に涙が溜まってきた。
どうしたんだろう?私。


「ほらまた泣かないで。……さっきはちょっと、僕も苛ついてね」


「……ルカさんが、ですか?」

「リラちゃん、きみ最初から自分自身の事を話したがらないね」


グラスを持ったルカさんが私がいるベッドの端に座る。


「きみがそんな風に頑ななのに、だれか他人と心を通わせようとするなんて、無理なんじゃないの?」

「あ……」


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