第3章 一人目 案内人ルカ
「は……っ……」
いつの間にかリビングで眠ってしまったらしい。
近くにルカさんの姿はなく、ソファに横たわっていた私の体には毛布が掛けられていた。
部屋の中は既に暗くなっていて、私は自分の濡れた頬に手で触れた。
「…………」
人間になれたらあの知佳から成弥を守れると思っていたけれどもう、その望みも絶たれてしまった。
知佳が大嫌いだ。
だって成弥が不幸になるから。
成弥を取られそうだから?
私を嫌いだから。
知佳なんか大嫌い。
でも。
─────知佳を嫌いなこんな私が大嫌い