第7章 リラの療養※
私のものかルカさんのものか、それとも両方なのか。次から次へと湧く水音を立て、ぐっと体を進めてはまた引いて、ぴたりとそれが止む。
「ぁあっ……」
普通はそうじゃないのだろうか。
私の体は『そう』なんだろうか。
「また凄く欲しそうになってるし。こうやって、止めてたら」
「ルカ、さん……わた…し、もう」
「分かる? 自分でも」
それは本当だと思う。
とても浅い所で中断されたその部分がとてももどかしく、いっそ私だけでも自ら腰を動かしたくなる。
その衝動を堰き止めているけれど、私の体はルカさんを掴もうと必死になってる。
さっきはもう充分と思ったにも関わらず。
「リラちゃん、返事が無いけど」
「ひぁっ」
ただ指をきつく噛んで耐えていた私に業を煮やしたのか深い侵入に上体が跳ねた。
「あ、も、もぅ。 やめて下さい……」
私がそんな風にいやらしくても、見ないで欲しい。
そして私がこんなに身勝手でも、もっとルカさんにして欲しい。
「そう」
短く言い、彼が身を引こうとするので私は咄嗟にそれについていこうと身を起こして腕を伸ばす。
そしてそんな私を見透かすように手を引かれた。
「ひ……ぁッあ、ぃや」
足を組んで座した自分の上に私を乗せて抱き締め、指先に唇を押し付けた。
深く深く押し上げられて喉を晒す。
首筋や胸やお腹、体中をルカさんに強く吸われたので、私の身体にはいくつもの赤い跡が付いていた。
その隙間にか上書きされているのか、ちゅ、とまた音がして腕の付け根辺りを噛まれたと思うと甘く食まれる。
散々に焦らされた後に満たされた内部が蕩けそうに熱い。
そんな私に構わずゆらゆら揺らされ下半身に力が入らなかった。
入ってくる時に私の体を引き寄せては壁を擦りながらぐちゅんと合わさる。単純に上下に動くだけじゃなくって、一突きごとに追い詰めてくる。
「はっ…あっ! あ…んっ」
彼にしがみつきながら止まらない緊張と弛緩を繰り返す快楽に耐えた。
数度私からなにかが小さく繁吹いて、繋がりを濡らした。
視界がチカチカと弾けては滲む。
首を横に降り、頬を伝う涙が彼の肩も濡らす。
「ごめ、なさ…ぁんっ、もダメぇ」
私の浅い息遣いの合間にルカさんの弾んだ声が耳に入った。
「だからそう言われても、さっきから離してくれないのはそっち……でも、もう許してあげようか」