第7章 リラの療養※
「は?……あの。 でも……ルカさん」
「は──……」
自らを落ち着かせるかのように深く息をつくと、ルカさんはまだ口角が上がって笑い出しそうな様子で口元に手を当てたまま言った。
「いや、最近そういうのしなかったの、きみを休ませてあげたかったのが一番なんだけど。……実際傷付いてたし、それからしばらくは怖いかも、とか。だから軽く触れてたのは、あれはリハビリみたいなつもりで」
話の途中で私から視線を外し、すっと笑みが消える。
あの時私の体は擦り傷や足首の捻挫の他、頭部や膣からも出血していたらしいと聞いた。
「まあ……でも」
ルカさんが私の方へと腕を伸ばし手のひらを向けた。
「じゃあ、ちゃんと確かめてから。おいで」
そう言われておずおずと近寄ると、彼はベッドに座ったまま膝立ちになっている私のお尻の下辺りに腕を回してそっと引き寄せた。
「……あの事も、許してくれるんですか?」
まだ私を、欲しいと思ってくれてるんですか?
そんな問いも同時に頭に浮かぶ。
「そうだね。どうしようかな」
ルカさんはその続きを言わずに、私のお腹の辺りに顔を埋めた。
内腿から指先で下着越しに恥骨の辺りを緩く押され、反射的に私の腰が引ける。
「でも、顔に傷が残らなくて良かった」
「────あ」
そうやってしばらく触れられて無かったそこは過敏になり過ぎて、足から力が抜けてかくんと震えた。
堪えられたのは噛んだ指で、早々に漏れそうになる声も押し殺せていたから。
「もう?リラちゃん」
「………?」
そんなにしたかった? そう聞かれる意味が分からなく、目線を下に落とす。
ルカさんがこちらをじっと見詰めたままに、ショーツの中にぬる、と指を滑り込ませた。
「ぅ、ん……?」
下から触れてくる指の動きが滑らかで、私は自分の状態を知って顔が熱くなった。