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小さな愛【R18】

第7章 リラの療養※


ルカさんをまた困らせている、と思う。

「リラちゃんは僕にどうして欲しい?」

「…………」

「言ってくれないと分からない」

前も言われたことがある。
『きみはどうして欲しいの?』
ルカさんに……

「私は……あ、やまりたくて。ずっと」

「ん?」という目でこちらを見てくる彼は相変わらず優しくて、そしたらますます泣きたくなった。

「お兄ちゃんの所で、私、酷い事言ってごめんなさい」

ルカさんがなにか思い出すかのように少しだけ視線をさ迷わせ、苦笑してまた私を見た。

「うん、あれね……でも、なんでそれでリラちゃんが泣くの?」

「それでもう、嫌になっちゃったのかなって……それと」

感情の昂りが治まり少し落ち着き彼の前で膝立ちになった。

ルカさんが首を傾げてリラちゃん?といつもの様に私を呼ぶ。
『どうして欲しい?』
ルカさんはどうしたいんだろう?
……私はそんな風に、彼に訊いた事があっただろうか。
そう思うのは罪悪感?

だけど、ルカさんが私をこんなにしたのに。
なんて勝手な言い訳なのかもしれない。


震える手で寝着のボタンを外し、すとんとそれは肌を滑りシーツの上にくしゃりと落ちた。
薄い下着は身に付けているとはいえ、慣れない行為はさすがに羞恥が勝る。
胸元を隠して消え入りそうな声で彼に伝えた。

「……もっと触って、欲しい、です。でも」

言葉に詰まって、するとルカさんは俯きしばらく無言になった。


────というか、どうやら彼の肩が細かく震えているようだ。

もしかしてこれも、笑う所なんだろうか?

段々と冷静になるにつれ、今の自分の行動を激しく後悔し始めた。

思わず再び衣服を手に取ろうとした私の手首を、下を向いたままの彼にやんわりと捕まえられる。

「………無理。もう色々と、かわいすぎて死にそう」



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