第7章 リラの療養※
私の身体が冷えないように毛布で包みつつ、指先や手のひらでゆったりとした気持ちよさを与えてくる。
胸などには触れずにあくまで優しく肌に触れるだけ。
ふくらはぎや腿、腕や手首や指などに。
なぜ彼がこんな事をするのかは分からない。
もし猫の姿だったら、私は単にルカさんにゴロゴロいいつつ擦り寄っていたのだけど。
……もしかして彼はそんな風に、私を可愛がってくれてるつもりのかな?
そう思いちらりと彼を盗み見ると彼の視線は触れている私の肌に注力していて、またちりちりと私のその部分が熱を持つ。
それとも例の、あのマーキングというやつだろうか。
どちらにしろ、ヒトの体って本当に厄介なのだと改めて思う。
私の体全部がほんのりピンク色に染まる頃には、こちらは熱の事も忘れてルカさんをじっと見てしまう。
だけど彼はそんな私に気付いてないかのようにそれを終了させる。
「ルカさん……」
彼の首元に寄りかかり名前を小さく囁く。
ルカさんの上着に押し付けた胸が擦れて思わず息が漏れた。
彼は私に少し熱っぽいキスをした後、背中に腕を回し再び私をベッドに戻してから夕食を用意しに出て行った。
ルカさんをベッドの中から見送り、私は熱くなった顔を隠すように、頭まで布団を被って呟く。
「も、もう………」