第6章 三人目 無頼漢リンク※
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俺はしけた家に住んでいた。
そしてそこで目の前でせっせと働く女を眺めている。
こいつは人の世界から来たという。
職場の仲間うちで、それとなくこの事を話してみた。
なんでも『人間界から来た奴はこちらの住民と交尾すると人間になれる』なんて下らない都市伝説のような話があるという。
それを馬鹿にしたように女に話してみると激しい様子で否定した。
『それは違います!』
丸っきりの嘘ならばこんな態度は取らない。それにこの女は確かにここの住人とは違う匂いがする。
上手くは言えないが、平和ボケしてない。
金色の目に宿る強い光。
『俺の気の済むまで奴隷になって大人しくしてたらやってやるよ』
奴隷は奴隷らしく土下座して頼め、俺は女に言った。
その時傍にいた連れの男は割と腕が立ちそうで、そんな挑発に顔色を変えて俺に掴みかかってきたが、女が間に割ってそれを必死で止めに入った。
その後二人は外で何かを言い合っていたが、程なくして男は離れて行ったようだ。
女だけが残り、俺に傅き、俺は女を家に置く事を許した。
この女はまだガキ臭い所はあるが、この辺じゃお目にかかれない様な良い女だった。
象牙色の肌に薄茶の艶のある髪。
衣服の上からでも曲線でその艶めかしさが解る。
それを惜しく思ったのは確かだ。
最初の人間うんたらの話によるときっとやると終わりなんだろうから、俺はギリギリの所で女の体を楽しんだ。
涙を流して嫌がる様もなかなか唆る。
言う事を聞かない時は平手で打ち蹴り上げた。
大したことは無い。
あの色男に加え、こんな独り身の俺の所に身を寄せるってのはつまり『そういう』女なんだろう。