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小さな愛【R18】

第5章 パーティの夜※




「うん………」

ぼやけた視界に目を開けるとルカさんの胸の上に頭を乗せて、彼の指が私の肩や背中を緩く撫でていた。
いつからこうしてたんだろう?
軽く身動ぎをすると彼がそれに気付いたようだった。

「もしかしてまた『視る』かもと思ったけど、さすがにそれは無くて良かったね」

「……そうですね」

そんな事になったら色々台無しなんだろうな、そう考えると可笑しくなってしまう。

「体は平気? 僕もあんまり余裕無くて無理させたかも」

「……最初だけ、少し。初めてでしたし分からないですけど」

ごめんね、ルカさんが再度謝り私の額の上の生え際に微かな音を立てて口付ける。
でも、始終どこか安心感があって、彼に自分を委ねるのに抵抗は無かった。
とても優しくしてもらったのだと思う。

「足りました?」

「ん?」

「繋がっても足りないものって?」

「……足りないかな」

「そうなんですか?」

「もっとしたら足りるのかな。付き合ってくれる?」

「えっ」

「嘘」

焦る私に今度はルカさんが小さく笑う。

「でもきみをまだ欲しいのは本当。今は我慢するけどね。ヒト型って厄介だな」

「……猫の時は違ったんですか?」

「んー、知らない? 猫の交尾」

「知らないです」

発情期が無いという事は本能も無い。という事で私にはその辺の知識はあまり無かった。

あれ? でも、そしたら私、何で出来たんだろう。

「雄が射精時に雌の性器に傷を付けるから、当面は痛みで出来なくなるっていう」

「何ですかそれ。怖いです」

「雄が確実に自分の遺伝子で受精させるために」

「はあ……」

「その点僕はリラちゃんとヒト型で良かったのかなあ」


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