第5章 パーティの夜※
「こちらでも子供は出来るんですか?」
「さすがにそれは無いよ。僕も聞いた事無いし、でも」
「はい?」
「……そしたらこれ、何のための欲なんだろうね」
─────もしも人間になれたら
『成弥のお嫁さんになりたいです!』
そんなキルス様との会話を思い出した。
「元の世界で繋がれなかったため?」
「特別追加サービスだね」
笑い合ってそれでベッドが細かく揺れた。
心と体。それに心だけ、体だけ。そんな繋がりも一種あるのだろう。
何が正しいかなんて私にはまだ分からない。
「そろそろ休もうか? 早く起きてこのシーツどうにかしなきゃ」
「ご、ごめんなさい」
私たちの体が乗っていない方のシーツは使い物にならないので、とりあえず隅に丸めて誤魔化してあった。
正直、自分の体があんな風になるものだとは思っていなかった。
「いいよ。なんならむしろ、もっとでも全然」
「も、もう……」
思わず彼の鎖骨の辺りに歯を立てて抗議した。八割方は照れ隠し。
「はは、おやすみ」
「おやすみなさい、ルカさん」
ルカさんが腕を回して自分の胸の隙間に私を収める。
本当に久しぶりに、人肌に包まれて眠る心地よさ。
成弥と一緒に眠る感覚と似てる。
それが身も心も繋いだルカさんだというすっかり寛いでしまった気分も相まって、私はうっとり目を閉じた。