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小さな愛【R18】

第5章 パーティの夜※



はらはらと落ちる括り損ねた長めの前髪からくすんだ蒼い瞳が覗いている。
至近距離で目が合って、やっとルカさんの顔がちゃんと見れたのにほっとした。
そんな彼が息を整えた後にこくん、と喉が鳴る音が聞こえ、苦笑しつつ身体を起こした。

「待ってね。 先にこっちが…持たなくなりそ」

薄暗い部屋が静かになり、私の額に張り付いた髪の束を除けられている優しい指先の感触がする。

ようやく彼がくれた休息に薄目を開けたまま、細く息をついた。

「これでもう、逃げないかな」

そう言って微笑みながら私を見下ろすルカさんに顔が熱くなり彼から視線を逃がした。
すると肩をすくめて縮こまっている私の額に軽い口付けを落とす。

お互いの口元が緩み、今度は顔を近付け額をこつんと合わせた。

彼の唇が移動する。
私の口の端や耳、首筋や肩に。
そして唇に戻り柔らかく擦り合わせ私もそれに付いていく。
大事そうに抱きしめてくれるのでつられて腕を回す。

切なくて泣きそうで。
私はかなしいのだろうか。
幸せなのだろうか。
そんな疑問が浮かんで弾けた。

ルカさんは細身に見えても私みたいにふよふよした余分な脂肪が余り無く、成弥みたいに彼が動く度に力を入れた部分が堅く盛り上がるのだと気付いた。
肩の広さ、胸や腕の線。少しずつ違う、男の人の体。
ぼんやりとそんな事も思った。

「もう少し、いい。大丈夫?」

「……大丈夫、です」

出来るだけ心配をかけたくなくて、笑って見せたのだけれどまた涙がこぼれてしまった。
少し困った表情でくすりと笑いをこぼしたルカさんが、また私を揺らし始める。

両方の膝の裏を掬い上げられ、深く押されて過ぎる刺激に喉を反らした。

「ッあ、は…っん!」

気が遠くなりそうに呑み込まれては引き戻されて、泡沫から覚める。
瞼の裏がチカチカして、弾けそうな一層大きなうねりのあとにそれが止んだ。




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