第2章 この世界
「みんな伏せて!」
と、赤い髪の毛をした人が叫んだ
「ん゛な゛〜〜〜!!」
ボウッ!!と、青い炎がしゃべる狸中心に広がった。
「うわあ!あちちちっ!尻に火が!」
ターバンの男はおしりに火がついたらしい。
「このままでは学園が火の海です!誰かあの狸を捕まえてください!」
ザワザワと騒ぐ会場の中、誰一人ともあのしゃべる狸を止めようとする人が現れなかった。
と思いきや、眼鏡の男が自らから名乗った。
「リドルさん、お願い出来ますか?」
自らから名乗った眼鏡男は赤い髪の毛をした男に話しかけた。
「違反者は見逃せないからね。さっさと済ませるとしよう。」
「お二人とも、お待ちください。良い方法があります。もしも私の予感が当たっていたら…」
学園長はしゃべる狸を捕まえに行こうとする2人を止めた。
「○○さんこちらへ来てください。早く!」
「は、はい!」
いかにも早くしろと言われていたから私は急いで学園長のもとへと向かった。
「少し手をお借りします。」
「はい。……痛っ!!」
学園長の言われるがままに手を差し出せば私の人差し指に針を刺してきたではないか。
当然人差し指からは血が出た。
一体何をかんがえているのだこの学園長は。
「お二人とも、この方の血を舐めて下さい」
「は?」
まず最初に驚いたのは私だった。
今どういう状況だ?
何故私の血を舐める必要があるのだ。
それに相手は異性だ。
ひょっとしたらセクハラとして訴えられるかもしれないぞ。
「…学園長がおっしゃるならおかしな事はおこりませんでしょう、では○○さん、失礼しますね」
と、眼鏡を掛けた男は平然とそう言い放ってきた。
「えっ、えっ?!」
私の口からは驚いた言葉しか出なかった。
「学園長、何故この人の血を舐めなければならないんだ」
「リドルくん、説明は後からします。とりあえず私の指示に従って下さい!」
赤い髪の毛をした男はため息をついて「分かった」と言っていた。
私は全然理解していないんですが。
「んっ、…くすぐったっ…」
眼鏡をかけた男は私の人差し指を舐めた。
くすぐったくて声が出てしまう