第6章 3日目
そして朝を迎えた。
昨夜映画鑑賞をして満足しきった私は気持ちよく起きる事が出来た。
まずは少しベタつく身体を洗い流すためにお風呂に入ってグリムを起こした。
すきま風が肌に触れ心地よく感じる。
朝風呂もなかなか良いものだ。
今日は授業が休みだっけ?
どうやったらそれを確認できるんだろうか。
スマホがあったら今頃ケイト先輩に聞けるだろうに…
教科書とかに日程表みたいなのが挟んでないのかな?
そう思って探してみたが何処にもそれらしきものは見当たらない。
この場合は直接学園へ行った方が早そうだ。
私はしっかりと身支度を整えてまずは食堂へと向かう事にした。
学園内にいれば必ずは生徒1人くらいは出会えるだろう。
その生徒に聞けばいいのだ。
そして私たちは食堂へと向かい、朝食を済ませた。
朝食を済ませた私達はとりあえず自分たちの教室へと向かった。
教室で待っていればへんな人達に絡まれることはあまりなさそうだし、それに授業の時間がくれば他の生徒も教室に入ってくるだろう。
「おいお前教科書持って何処に行くんだ?」
「教室ですけど…」
教室まで行く最中に髪の毛が緑深い色をした背の高い生徒に呼び止められた。
「念の為伝えておくけど今日は授業ないぞ」
「えっ」
「知ってたならいきなり呼び止めてごめんな」
「いえいえ!知りませんでした、教えて下さりありがとうございます」
わざわざ呼び止めてくれて教えてくれるだなんてこの生徒はなんて優しいのだろうか。
「やっぱりお前は学園の新聞に大きく載ってた生徒じゃないか。呼び止めて正解だった。オンボロ寮の生徒だからきっと日程表も分からないだろうしな」
「あはは…」
貶されたのか…?
「おっと言い方を間違えた。大変な状況なんだなって言いたかったのに気を悪くしたらごめんな」
「いえ、そんな…」
わざわざ気を使ってくれるなんて…
この生徒は一体なんて言う人なんだろう。
少し気になるかもしれない。