第3章 初仕事
日向side
…。
あのダアホ!!
「一緒に帰りませんか?」
とか…意識させんじゃねーよ!!
着替えているときも、阿佐ヶ谷が頭から離れない。
着替えて外に出ると阿佐ヶ谷が立っていた。
「あ、きたきた。これどうぞ」
って渡されたのは…ブラックの缶コーヒー。
日「え…いいのか?」
「お近づきの印とリコの練習をこなしてる労いです」
日「サンキュ」
「じゃあ行きましょう」
俺達はまたくだらない話をしながら歩いていた。
桶狭間の戦いで、織田の戦法は意表をついたけど、織田は一度しか使わなかった。
とか
伊達政宗は天然痘にかかって、目玉がぶら下がってたのを部下に切らせた。
とか。事実かどうかは知らないけどな。
「日向君すごいこと知ってますね…私知らなかった…」
日「まあ、な」
そんなことを話している間も、なんとなく阿佐ヶ谷を意識しちまう。
「じゃあ私、こっちですから…」
ぐちゃぐちゃ考えている間に、阿佐ヶ谷と別れる場所に来た。
日「そうか。じゃあ…な」
阿佐ヶ谷は手を降って帰っていった。
俺は心に穴が空いたような気持ちだった。