第3章 初仕事
「でもどうしてそんな入るようになったんですか?」
日「…ここぞというとき、プレッシャーに負けないようになりたいって監督に相談したらさ…」
リ『じゃあ普段からプレッシャーに慣れとけばいいのよ。例えば…シュートを外す度、あなたの武将フィギュアをへし折るとか』
日「…てのが始まり。今までに政宗や幸村や信玄が犠牲に…」
さすがリコ…。
あれ。
「日向君、戦国武将好きなんですか?」
日「ああ」
「私もですよ」
日「マジで!?」
「歴史、特に戦国時代についてなら負けません」
日「じゃあ、上杉は最高何万石?」
「120万」
日「織田が黒田勘平にやった刀は?」
「圧切」
日「よく知ってんな。じゃあその名前の由来知ってるか?」
「知らないです。なんですか?」
日「確か………」
私達は時間を忘れて話していた。
日「……らしいぜ。あ、もうこんな時間だ。悪い、付き合わせちまって」
「いいですよ。私も楽しかったから」
戦国時代について、こんなに語ったのは初めてだった。
ボールを片付けると、私は荷物をとった。
「日向君、今日一緒に帰りませんか?」
日「は!?」
「あ、嫌ならいいんですよ」
日「いや///嫌ってワケじゃねえ…///」
「?」
日「帰るか///」
なんか日向君が赤いんだけど…私なにかしたかな?
「じゃあ私、外にいますね」
日「あ、ああ」
私は体育館の入り口で待つことにした。