第3章 初仕事
それからは簡単だった。
ほとんど私はなにもしてない。
リコに言われたとおり従順にやってたらいつの間にか終わってた。
日「今日はここまで!!解散!!」
全「お疲れ様っしたァ!!」
リ「遙、ボールの片付けよろしく」
「ハイハイ…」
日「あ、俺の周りのやつはまだいい。ちょっとシュート練習してーんだ」
シュート練習…?
そんなのやられたら私、いつまでたっても仕事が終わらないじゃない!!
仕方ない、明らかに使わないボールだけ片付けるか。
コートにはボールが散乱していて、1人で片付けるのは容易じゃなかった。
帰ったなリコめ。恨んでやる。←本日2度目
ぶつくさ言いながら、1度に3つずつ片付けた。
あらかた片付き、残るは日向君の周りだけ。
早く終わらないかな…。
見ていると、日向君の打ったボールは、必ずゴールに入っている。
百発…百中?
すごーい…。
私が思わずみとれていると、
日「ああ。阿佐ヶ谷、帰っていいぜ。ボールは俺が片付けとくから」
と言われた。
お言葉に甘えて帰ることにした。
荷物は日向君のシュート練習しているゴールの下にあり、遠回り私は面倒なので、十分気をつけてゴールをくぐり、荷物をとって立ち上がった。
時。
日「やべっ阿佐ヶ谷!!」
日向君の声と同時に、頭にゴン、と衝撃を感じた。
頭を押さえてしゃがみこんだ私に、日向君が駆け寄ってきた。
日「悪い!!大丈夫か?」
口から出ようとする痛いですよ、を抑え、私は言った。
「大丈夫。大丈夫です」
多分日向君のボールが私に当たったんだな。
触った感じ、腫れてはいない。大丈夫なレベルだろう。
日「保健室いくか?」
「大丈夫ですよ。触った感じ、腫れてはいないみたいだし」
日「そうか…マジ悪い」
日向君は私を立たせてまた謝った。
…せっかくの機会だし、聞いてみるか。
「百発百中なんですね」
日「あ?ああ、まあ。百発百中ってわけじゃあないけど、かなり入るようにはなったよ」
ふーん…。